ここ数年で投資家が急増したFX。2005年頃からのブームの前後で、証券会社がFXサービスに参入するなど、FX事業者が増加したが、最近はFXブームも一段落し、FX業界は生き残りをかけて競争が激化している。
まずFX各社は1〜2年前から手数料を無料に引き下げ始めた。日本株式においては証券会社が手数料を無料にした話は聞いたことがないが、FX業者が手数料を無料にできたのは、為替の「スプレッド」から収益を得ていたからだ。
スプレッドとは外貨の「売り」と「買い」のレート差のこと。為替が「110円30−35銭」のように表示されている時は、買いが「110円30銭」、売りが「110円35銭」を表している。そして「買い」と「売り」に5銭の差に、取引業者に支払うコストが含まれているのだ。だからFX業者は手数料を無料にしても、「スプレッド」から収益を得ることができるのだ。
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この事実はこれまで投資家の間でもそれほど知られていなかったが、FXが日本で浸透するにつれて、スプレッドの「買い」と「売り」の差が少ない業者で口座を開く投資家が増え始めた。そこで最近では、取引手数料を無料にしているだけでは、他社との顧客獲得競争で敗れてしまうので、スプレッドの縮小というFX事業者の「聖域」にメスを入れるようになってきている。
6月2にはひまわりホールディングスのFX ZERO株式会社が2通貨ペアで、ジェット証券が8通貨ペアでスプレッド縮小を発表した。今後、スプレッド縮小の動きは増していくと思われ、FX事業者はより厳しい競争を強いられそうだ。FX
1990年頃、30代半ばを迎えた私は、始めて老後のことを考えて投資というか貯蓄的なものを開始した。当時は日本興業銀行や日本長期信用銀行などが5年物利付金融債を発行していた。バブル経済の頂点だったこともあり金利が税引き後で年率8%あった。
5年複利で運用するワイドというニックネームをつけられた金融商品だった思う。60歳まで一生懸命働いて1億円くらい貯めてこの商品で運用すれば利息で年間800万円程度入ってくるので年金と合わせれば働かないで年収1000万になると考えた。
ただそうは問屋が卸さないもの。5年満期を迎える1995年には金利はその半分の4%となっていた。バブル崩壊が始まり、株価も3万8000円から2万円割れとなっていたからだ。
1990年に考えた取らぬ狸の皮算用は成り立たなくなり、金利収入年1000万円を得るには2億円貯蓄しなければならなくなっていた。当初の倍の貯蓄が必要となり、自分でも「無理かな?」と思った。
さらに5年後の2000年では金利は銀行破たん、デフレ景気で1%と低下していた。最初の1000万プランを達成するには10億円貯蓄しないといけなくなってしまった。努力してもどうなる数字ではない。宝くじに当たっても無理だ。
海外の高金利を探し、ブラジル、メキシコ、ハンガリー、ウクライナ、アルゼンチン、南アフリカなど外貨建てなら10%を超える債券を見つけることができた。また日本の銀行の外貨建て劣後債(返済順序が後になるのでリスクが高いが金利も高い債券)も10%近い利回りのものがあった。
もちろん為替リスクはあるが当時から長期に持てば金利収入が為替差損など軽く賄ってくれることはわかっていたので躊躇せず投資した。
96年に南アフリカランド債10年物を購入したが年利回りは13%、為替は今から思えば驚くべき高値の1ランド26円で購入した。
FX
昨年南アランドが16円の時に償還。為替差損は10円で38%の損、年率3.8%の損となる。ただ利回りが年率13%なので合計すると、
13-3.8=9.2%
で、9.2%となり、まずまずの運用となっている。この運用を10年間続けた。
9.2%×10年=92%
すると元本が10年で92%増えた。このように高金利通貨投資は長くもってこそ旨みが出てくる。1年、2年だけの保有で為替差損がどうのこうのというのは高金利通貨投資の原点から外れている。
他の10%超の高金利投資も概ね成功した。最近10年では円安傾向なので高金利も為替差益も得られるダブルメリットもあるが、当時の投資では為替差損が少々あっても高金利だけでも日本の低金利に投資するのとは違い10倍以上のリターンがあった。ただ2つ失敗したものがある。ウクライナ債券とアルゼンチン債券だ。
現実となったデフォルト
これらは2つともデフォルト(支払い停止)となった。ウクライナ債券は二人のノーベル経済賞受賞者やFRB元副議長もスタッフにいたドリームチームと呼ばれたヘッジファンドLTCMを破綻させたロシア通貨危機の影響でデフォルトとなった。
アルゼンチン債はドルとアルゼンチンペソを1対1で固定相場としたばかりにドル高で周辺国との競争力が落ちて経済破綻となった。ウクライナはその後立ち直り上乗せ金利を加えて返済したので予定よりリターンが増えた。ただ当時は元本も戻ってこない不安にかられた。
FXはいつ、どのように生まれたのか?
いまや、株式投資と並ぶほどの人気となった「FX(外国為替証拠金取引)」。オンラインやモバイルトレードの普及はもちろんだが、取引時間の長さや豊富な取扱通貨ペア、レバレッジをかけることで資金を効率的に使えるなど、その利便性の高さから、サラリーマンや主婦から支持を集めている。
じつは2008年は、FXにとって記念すべき年だという――なんと、個人投資家に為替取引が開放されて10年目。つまり今年は、FX取引が始まって10年という節目の年なのだ。
そこで今回から3回にわたり、FXの過去と現状、そして今後について、これまでの歴史を振り返りつつ紹介したいと思う。初回となる今回は、商品先物取引や為替取引に携わって15年になる、FX取引会社・上田ハーロー株式会社・マーケット企画部の吉田文吾氏に話を伺い、FXが生まれた経緯やサービス発足直後から多くの投資家に受け入れられるまでの、「FX黎明期」についてまとめてみた。
そもそも、いまから10年前、為替取引が個人に開放された背景には、どのようなことがあったのだろうか。
「FXが誕生したのは、1998年に『改正外為法』が施行され、個人でも為替取引が行えるようになったのがきっかけです」 FX
「FX自体はそれまでにも、シンガポールや香港など海外で個人投資家向けのサービスとして提供されていましたが、その仕組みが日本にも輸入された格好です」(吉田氏・以下同)
過去、日本では為替取引は法律によって厳しく制限。戦後となる1949年に施行した「外国為替及び外国貿易管理法」では、通貨の取引を原則禁止。
その後、1980年の改正により、対外取引を原則自由化して貿易等に関する為替取引は認められたが、実際に取引できるのは銀行等金融機関のみ。個人が為替取引を行うことはできず、外貨投資と言えば、各銀行が提供する「外貨預金」や「外貨MMF」が一般的だった。
ところがこういった状況も、先に紹介した「改正外為法」(1998年)の施行で劇的に変化を遂げることになる。対外取引は完全に自由化され、為銀主義(外国為替公認銀行=為銀のみが外国為替取引が行えること)は撤廃されたのだ。
「為替取引に制限があったのは、通貨の安定や国内産業保護のため。自国経済が安定していない状況で大量の通貨が流出入することは成長の阻害要因となる危険性があるためです。ところが日本も経済のグローバル化や、社会が成熟するに従い製造業からサービス・金融業へとメイン産業がシフトし、金融業の立ち遅れや東京市場の地位低下が指摘されるようになり、これを受けて法が改正。為替取引の本格自由化が解禁となりました」
そして、この自由化に伴い早速導入されたのが、それまでにも米国・欧州・一部のアジア諸国で取引されていたFXだったのだ。(
中には不誠実な業者も存在した
まさに、雨後の筍のように生まれてきたFX取引会社。ところが当時は、FX会社を取り締まる監督官庁や法律もなく、会社の質は玉石混交だったという。
「もちろん、きちんと誠実にサービスを提供することでビジネスを拡大していく会社がほとんどなのですが、なかには顧客から預かった資金を勝手に運用したり、過剰に売買を勧める会社もありました。取引会社の収益の大半は手数料が占めるので、より多く売買をしてもらったほうが会社は儲かるのです。また収益の悪化などから顧客の資金を持ち逃げするというケースもありました。新規ビジネスの草創期には起こりやすいことですが、自社の売上極大・利益極大のみを追及した会社が存在したのも事実です」
こういった、ごく一部のダーティな会社のおかげで、一時、FXに対して危険なイメージが生まれたのも事実だ。そこで金融庁は2005年、金融先物取引法を改正して、悪徳会社の取り締まりに踏み出す。これについても次回以降、詳細をお伝えしていこう。前編の続きから始めよう。商品先物取引会社を中心に取扱いが始まったFX。なお、吉田さんが所属する「上田ハーロー」は、日本における短資会社(金融機関の市場(銀行間の取引)において、1年未満の資金の貸借や媒介、各種短期金融商品の売買を行う会社)3社、「上田八木短資」「セントラル短資」「東京短資」のうち、上田八木短資のグループ会社。
短資会社FX
金融機関の市場(銀行間の取引)において、1年未満の資金の貸借や媒介、各種短期金融商品の売買を行う会社
老舗の為替ブローカーとしても知られているが、2005年からFXにも本格的に参入を果たした。その最大の特徴は、インターバンク直結による価格の透明性および
完全自動フルカバーによる取引の公平性を実現していることだ。
ブローカー
インターバンクの為替取引を仲介する専門会社。各銀行から集まった売買注文を仲介して取引を成立させる
カバー取引とは、FX取引会社等が顧客との取引で価格変動リスクを避けるため、カバー取引先を相手に行う取引のこと。このカバー取引を取引会社が人為的に操作したり、顧客取引からカバー取引までに時間差が生じると、その間の為替変動リスクを取引会社は背負うことになる。この場合、顧客と取引会社の関係は、利益相反関係の可能性が生じる。
対して上田ハーローでは、顧客の注文を受けると同時に、すべて自動的にカバー先金融機関に注文を出す「完全フルカバーシステム」を採用している。顧客とインターバンクが直結することで、両者は利益相反関係から共存関係になると同時に、取引レートの作為的な操作も不可能になることで、透明性の高い価格が提示されることになる。極めてユーザーライクなサービスを実現しているといえるだろう。このように、FX各社では、安全性や透明度の高い仕組み・サービス作りに力を注ぎ、顧客獲得に努めているのだ。
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